
赤ちゃんと一緒に社会とつながる。「Mamahata(ママハタ)」の赤ちゃん先生とは?産後ママの新しい一歩を取材
出産をきっかけに、仕事や生活、人との関わり方が大きく変わることがあります。
「気づけば今日は誰とも話していない」
「子育ては大切だけれど、社会から離れてしまったように感じる」
「育休中に、赤ちゃんと一緒に何か新しいことをしてみたい」
そんな思いを抱えるママにとって、赤ちゃんと一緒に社会とつながることができる場所も、一つの選択肢かもしれません。
今回MamaCollegeが取材したのは、女性が出産後も社会とつながり、活躍・成長できる場づくりに取り組む「Mamahata(ママハタ)」です。
なかでも特徴的なのが、0歳から3歳くらいまでの赤ちゃんとママがペアになり、教育機関や高齢者施設などを訪れる「赤ちゃん先生」の活動。
今回は、NPO法人ママの働き方応援隊 Mamahata京都校の磯様に、赤ちゃん先生の活動内容や参加するママたちの変化、ご自身の産後の経験、そしてママたちに伝えたい思いについて伺いました。
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赤ちゃんとママが一緒に社会とつながる「Mamahata」とは?
Mamahataは、女性が出産後も社会とつながり、活躍したり成長したりできる場をつくることを目指して、全国で活動している団体です。
出産後は、生活の中心が大きく変わります。
それまで仕事をしていたママが産休・育休に入ったり、退職したりすることで、職場や友人などとの関わりが減ることもあります。
磯様によると、子育てをしていくなかで、社会とのつながりがなくなったように感じたり、孤独感を抱いたりするママも少なくないといいます。
Mamahataでは、そんなママたちが子育て中だからこそできる活動を通して、人や社会とつながる機会をつくっています。
現在行われている活動の一つが、「赤ちゃん先生」です。
0〜3歳の赤ちゃんが先生に。
「赤ちゃん先生」が伝える命の大切さ

「赤ちゃん先生」は、15年以上前に神戸で始まったプロジェクトです。
0歳から3歳くらいまでの赤ちゃんとママがペアになり、教育機関や高齢者施設などを訪問します。
特徴的なのは、赤ちゃんが一方的に何かを「教える」のではなく、実際に赤ちゃんと触れ合う体験を通して、参加者がさまざまなことを感じ、考えるきっかけをつくっていることです。
たとえば小学生との活動では、赤ちゃんと自分の体の大きさを比べたり、実際に触れ合ったりします。
「自分にもこんなに小さな時期があった」
「自分も周囲の人たちに大切に育ててもらって、ここまで大きくなった」
そんなことを感じながら、自分自身や周りにいる人の命について考える機会につながっています。
「赤ちゃんって、こんなに温かいんだ」触れ合うからこそ生まれる気づき
核家族化が進むなか、日常生活で0歳や1歳の赤ちゃんと触れ合う機会がない子どもたちもいます。
赤ちゃん先生の活動では、中学生や高校生が初めて赤ちゃんを抱っこすることもあるそうです。
実際に触れた子どもたちからは、
「赤ちゃんって、こんなに温かいんだ」
「こんなに柔らかいんだ」
といった声が聞かれるといいます。
さらに、目の前の赤ちゃんと自分自身を重ねることで、「自分にもこんな時期があったんだ」という気づきへとつながっていきます。
赤ちゃんとの触れ合いから、自分自身の命、そして隣にいる友達の命についても考えていく。
言葉だけで命について学ぶのではなく、赤ちゃんの温かさを実際に感じることから始まる学びが、「赤ちゃん先生」の特徴の一つです。
高齢者と赤ちゃん、そしてママをつなぐ交流も
赤ちゃん先生は、高齢者施設でも活動しています。
磯様によると、普段あまり表情を変えない入居者の方が、赤ちゃんを抱いた瞬間に涙を流すこともあるそうです。
一方で、交流は赤ちゃんから高齢者へ癒しを届けるだけではありません。
子育て中のママが人生の先輩である高齢者からアドバイスをもらったり、悩みを相談したりすることもあります。
世代の異なる人たちが赤ちゃんをきっかけにつながり、それぞれに交流が生まれていく。
赤ちゃん先生は、赤ちゃん・ママ・地域の人たちをつなぐ機会にもなっています。
「今日は誰とも喋ってない」産後の孤独の中で出会ったMamahata
現在、Mamahata京都校で活動する磯様自身も、出産後に社会とのつながりについて悩んだ経験がありました。
大学卒業後、約10年間京都の企業で働いていた磯様。
妊娠が分かったときには仕事を辞めるかどうか悩んだものの、最終的には退職し、子育てに専念することを選びました。
ところが、実際に子育てが始まると、それまでとはまったく違う毎日が待っていました。
何をしても赤ちゃんが泣き止まない。
一日が終わったときに、「今日は誰とも喋ってない」「私は一体今日は何をしていたんだろう」と感じる。
なかでも磯様にとって特につらかったのが、社会とのつながりが切れてしまったように感じたことだったといいます。
そんなとき、神戸に住む友人から教えてもらったのがMamahataでした。
「子連れで活動できる、赤ちゃんと一緒にできる活動があるけれど興味はない?」
その話を聞いた磯様は、すぐに説明会へ参加。その後、講座を受けて団体での活動を始めました。
一人で育てるのではなく、「みんなで子育てしている」感覚へ

Mamahataでの活動を始めたことで、磯様自身の子育てに対する感覚も大きく変化したといいます。
一人で子育てをしていると、行き詰まったり、自分だけでは見えてこないことがあったりします。
一方、Mamahataには同じように子育てをしているママたちがいます。
子どもと一緒に何かをしてみたい。
今だからこそできることに挑戦してみたい。
そんな思いを持ったママたちと出会うことで、仲間が増え、新しいことに挑戦する機会も生まれていきます。
磯様は、その環境を「大きな共同体のような感覚」と表現していました。
家族だけで子育てをするのではなく、さまざまな人との「斜めの関係」のなかで、みんなで子育てをしているように感じられる。
それはママだけでなく、子どもにとっても新しい人や社会と出会う機会になります。
磯様は現在のMamahataについて、「Mamahataがなかったら、すごく孤独な子育てをしていたと思う」と振り返ります。
子どもへの接し方も大きく違っていたかもしれないと感じるほど、今では子育てと切り離せない存在になっているそうです。
ママ目線から企業との取り組みも。京都校で広がる新しい活動

Mamahata京都校は2018年11月に設立され、当初は赤ちゃん先生を中心に活動してきました。
その後、より幅広い人たちとつながっていきたいという思いから、新しい活動にも取り組んでいます。
その一つが、一条工務店とのハイハイレースイベントです。
京都府内のさまざまなモデルハウスを会場に、毎月1回ハイハイレースを開催しています。
モデルハウスというと、「家を購入する予定がないと入りづらい」と感じる人もいるかもしれません。
そこで、ママ目線ならではのイベントを開催することで、親子がモデルハウスを訪れるきっかけをつくっています。
イベントでは、冬でも赤ちゃんが肌着1枚でハイハイレースに参加できる環境のなかで、床暖房の快適さを実際に体感できるようになっています。
子育てをしているママたちの視点を生かしながら企業と一緒にイベントをつくる。
赤ちゃん先生からスタートしたMamahata京都校の活動は、企業との連携にも広がっています。
「ママという今のポジション」を生かして、新しいことに挑戦してほしい
現在、赤ちゃん先生には、出産後に社会とのつながりを求めているママや育休中のママも多く参加しているそうです。
特に0〜3歳頃までの時期は、子どもの成長も目まぐるしく、毎日の生活だけで精いっぱいになることもあります。
一方で、赤ちゃん先生として親子で活動できるのも、この限られた期間です。
「育休中に我が子と思い出を作りたい」
「出産をきっかけに、新しいことに挑戦してみたい」
「赤ちゃんと一緒に社会と関わってみたい」
そんなママに、ぜひ活動を知ってほしいと磯様は話します。
そして最後に、MamaCollegeの読者へこんなメッセージを届けてくださいました。
子育てをきっかけに、生活にはさまざまな変化が起こります。もちろん、大変なことや悩むこともあります。
それでも子どもが赤ちゃんでいる時間、そして今の子育ての時間はずっと続くものではありません。
だからこそ、磯様自身も「期間限定」ということを意識しながら、今の時間を大切にしているそうです。
「ママという今の素敵なポジションを生かした活動を、たくさんのママにしてほしい。その一つの選択肢として、赤ちゃん先生やMamahataがあったらうれしいです」
子育てをしながら社会とつながる方法は、一つではありません。
仕事に戻ることだけでも、子育てだけに専念することだけでもない。
赤ちゃんと一緒に新しい人と出会い、今だからできる経験をしてみることも、ママにとっての新しい一歩になるのかもしれません。
今回の取材で印象的だったのは、「赤ちゃんがいるから社会とのつながりが減る」だけではなく、「赤ちゃんと一緒だからこそ生まれる社会とのつながりもある」ということでした。
出産をすると、仕事や人間関係、毎日の過ごし方など、それまで当たり前だった環境が大きく変わることがあります。そんな変化のなかで、磯様のように孤独を感じるママもいるかもしれません。
社会とのつながり方は、必ずしも出産前と同じである必要はありません。子どもと一緒に人と出会ったり、新しい活動に参加したりすることも一つの方法です。
「今の自分だからできること」を探したいとき、Mamahataや赤ちゃん先生のような活動があることを知っておくだけでも、選択肢を広げるきっかけになると感じました。
- 出産後、社会とのつながりが減ったと感じているママ
- 育休中に赤ちゃんと一緒にできる活動を探しているママ
- 同じ子育て世代の仲間とつながりたいママ
- 子どもとの「今しかできない経験」を作りたいママ
- 子育てをしながら新しいことに挑戦してみたいママ
取材情報
取材日: 2026年8月10日
取材先:NPO法人ママの働き方応援隊
取材ご協力: 京都校 磯 恵 様
紹介サービス: Mamahata
公式サイト: https://www.mamahata.net/






